ドキュメント考① 経営者の思い
経営者の疑問 その1
現場の技術者がドキュメントは書くべきでないと言っている。
最近はそういうモノですよ、それがアジャイルですよ と。
本当にそれで大丈夫なのだろうか?
経営者が「それで大丈夫なのだろうか?」と疑問に感じる理由を思うに、おそらく次の2点をドキュメントの効用として期待してます。
- 正しいものを作るため
- 属人化を防ぐため
1. 正しいものを作るため
情報システムは本当に必要なもの/欲しい通りのものを作りたい。当然ですw
結果的に間違ったものを作って使えなかったり、無理やり使った結果会社の業績に悪影響を及ぼしたりする事態を回避したい と考えます。
2. 属人化を防ぐため
会社は情報システムに多くを依存しています。
その情報システムに関する知識を特定の人に依存してしまうことで他の人では対応できなくなる状況を回避したい と考えます。
この2点を実現するためにドキュメントが役立つならば、ドキュメントを作る方が良いわけです。
「正しいものを作る」を少しブレイクダウンすると、
- ビジネス上の目標
- システムの利用者に提供したい機能
- 取り扱いたいデータ
- 処理したい手続き
- 実現したい使い勝手
などが正しく決定されており、その決定通りのシステムが作られる という事です。
これはシステムの稼働に先立って工程の上流で決めるもの、技術者がそれに従ってシステム開発を行うもので、従って何らかのドキュメントとして記述されている必要があるんじゃないのか?
「属人化を防ぐ」はそのままの意味です。
担当者にしか理解できない情報システムは経営者の悪夢の種(の一つw)です。技術者の交代が可能である状態を常に維持するために、引継ぎに必要な内容が記述されたドキュメントが必要なんじゃないのか?
いずれの疑問も「長年そうやって来た」という世の情報システムの来歴に裏打ちされています。
技術者に不要であると意見されても、そうおいそれと信じるわけにもいきません。